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【ネットワーク】報告/東北EPOとの連携事業~東日本大震災から見えてきた本当に大切なこと2018

日時:2018年6月26日(火)15:50~17:20
場所:愛知県立千種高校
参加者:30名(生徒26名 教員1名 EPO東北1名 EPO中部2名)
講師:山内 宏泰氏(リアス・アーク美術館 副館長/学芸係長・学芸員)

今年で3年目となる東北EPOとの連携事業「日本大震災から見えてきた本当に大切なこと」。
今年は、宮城県気仙沼市にあるリアス・アーク美術館の副館長の山内宏泰氏をお迎えしました。
山内さんの震災後の活動や、震災後の美術館の展示から、何を大切にして社会をつくり、日々を営むか、そのために今の自分には何が必要なのか、に向き合う時間となりました。

●地域史、津波災害史に学ぶ
地域の気候や風土、文化を知ることが減災につながる。気仙沼の土地が歴史の中でどう開発、改変され、そのことによって何が変わり、何がリスクとなったのか。過去、過去からの変遷を知ることは、今の状況に至るまでに失ったこと、先送りにしていることを知ることにつながり、一方で未来に向けて何をすべきかの要素が見出される。埋め立て、市町村合併など人間が経済を優先にしたことで失ったことは何なのか、『ヒューマンエラーの蓄積』がどれだけ今回の被害に影響を与えたかを知る。
美術館では、気仙沼の土地や風土に沿った暮らしがどうであったか、経済成長を優先したために気仙沼の町や暮らしがどう変遷したのか、を伝える素材を収集し伝えている。

●津波を防ぐことはできない、という前提を忘れてはいけない
そのことが伝えられているのだろうか。受け継がれているか。
この地域に暮らす以上は、津波を受け入れた暮らしをどうつくるか、地域の文化をどう育むかを考えないといけない。今の防災偏重の政策、公共事業、科学技術は、「津波は防げる」「安全だ」と思わせてしまう。

●地域文化教育の必要性と想像力の育み
震災後半年以上たって見つかった炊飯器。ふたをあけるとどろどろの黒い水に白いごはんがたくさん残っていた。どうして腐らなかったんだろう。どうしてこんなにたくさんご飯を炊いたんだろう。持ち主の暮らしを想像する。
人の暮らしが見える日用品やの地域住民の記憶に残る風景の展示をしている。震災後は翌年の12月まで、地域文化が再び、地域に宿るための記録・調査活動をした。防災ではない。減災である。「減災思考」を育むために、想像力を豊かにすることが大切である。美術館には、地域の歴史、文化、暮らし、風景、風土を伝える役割があり、来館者に響く言葉、メッセージを添えて展示している。

「何を大切にして判断や選択をし、社会の一員として、存在しなければいけないのだろうか。」
そんな課題を山内さんに投げかけられました。
・減災という考え方を知った。
・堤防を高く作るお金があるのなら、他の対策の仕方を考えて使った方がいいのではないかという声があることを初めて知った。
・堤防は津波を防ぐものではなく、避難をする時間を稼ぐためのものである、と聞き驚いた。
・一番心に残ったのは「伝え方の工夫」です。山内さんがその時感じ、考えたストーリーを添えることで、見た人に共感しやすくしてもらえる工夫は圧巻でした。
・「だれかがでななく自分が」というその精神を持てるようにしたい。
・他人の情報を鵜呑みにせず、自分の判断でできる限りの手をつくす必要があることがわかりました。
・「災いは防ぐことができず、減らすことしかできない」という考え方を深く理解することができた。
・「山内さん、千種高校(私たち)に出会ってくださり、ありがとうございます!」
・自分が正しいと思っていた知識は間違いだらけだったことがわかりました。
・山内さんが話された「物語」に感動し、また一つ被災物が持つ人々の思い出を想起させる力に驚きました。
・「人は棚上げをし、先送りするものだ」という言葉が心に残りました。今までそれをやっていたかもしれないと思いました。
・「自然との戦い」から「自然と分け合う生き方」への考え方の変化という言葉に現代の問題的を表していると思いました。
高校生の山内さんへのメッセージの一部です。
「高校生たちは、何を大切にどんな活動を展開するか、生きかたを見つけるか。」高校生の思考に、震災を捉える新たな視点、気づき、刺激をもたらす時間となりました。

◇講師の山内氏
写真⑭
◇参加した高校生と…

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